特許および実用新案に関する争訟案件

「悪しき隣人に気に入られなければ、最も敬虔なる者も平穏に暮らすことはできない」 (フリードリヒ・フォン・シラー:『ヴィルヘルム・テル』)

特許と実用新案は、ある発明を単独で使用し、権限をもたない第三者に対してその使用を禁ずる権利を所有者に与えます。

その一方、そのような特許または実用新案に対する侵害ゆえに訴えられた側は、特許もしくは実用新案の無効化によって侵害の訴えに対抗することができます。

ドイツおよび欧州の異議手続き

付与されたドイツ特許および欧州特許は、双方からの無効審判手続きの枠内で訴えられる可能性があります。

第三者のドイツ特許および欧州特許に対しては、それらが付与された後、法に定める期限内であれば、完全な無効または少なくとも部分的な無効を目的としてドイツ特許商標庁または欧州特許庁に異議を申し出ることで、訴えることができます。異議は戦略的な措置として利用することもできます。その場合は自社の (場合によっては将来の) 製品のために、技術的な領域を第三者の特許によって左右されない状態にしておくということになります。

異議は特段の利害関係があることを証明せずとも、誰でも行うことができます。異議手続きのコストは、いずれの側も自分たちのコストは自ら負担するので、把握しやすく、予想がつきます。

異議は期限内に行わねばならず、また新規性の欠如、発明活動の欠如、不十分な開示、許容されざる拡大といった異議申し立ての根拠のいずれかに基づくものでなくてはなりません。最初は第一審において文書で行われる異議手続きは、最終的には口頭審理となります。第一審での決定に対しては第二審で異議申し立てを行うことができます。

当弁理士事務所の特許弁理士はドイツと欧州の異議手続きに習熟しており、異議申し立て人であれ、特許が異議を受けている特許権者であれ、立派に代理を務めます。多年の経験によって培われた手続きの流れや担当委員会についての知識は、自身の特許を守る際にも、競合他社によって特許に異議が申し立てられている際にも、確実で成果の多い対応を可能とします。

特許の無効手続きと実用新案の抹消手続き

特許無効の訴えと実用新案抹消申請はたいていの場合、特許侵害の訴えや実用新案侵害の訴えに対するリアクションであり、それらの侵害の訴えから法的基盤を奪うために行われます。

侵害訴訟においては、使用中止と損害賠償が請求される結果、被告にとってしばしば深刻な結果となることから、特許無効手続きはたいていの場合、弁護士と弁理士からなるチームによって行われます。これはそのような手続きが通例、きわめて複雑な法律上・技術上の問題となることに対して万全の対処を行うためです。

ドイツ特許または欧州特許のドイツ部分に対する無効の訴えに関しては、第一審が連邦特許裁判所、第二審が連邦通常裁判所の管轄となります。無効手続きの裁判コストのリスクは、場合によってはかなり高くなります。それは無効手続きの訴訟価額が特許の価値に応じて決められるため、平行して行われる侵害訴訟手続きの訴訟価額よりもたいてい高くなるからです。

実用新案の抹消手続きでは第一審がドイツ特許商標庁、第二審が連邦特許裁判所の管轄となります。官庁の料金は安いので実用新案抹消手続きのコストリスクは無効手続きの場合よりも低くなります。

手続きの所要期間は無効手続きの場合も実用新案抹消手続きの場合も、第一審、第二審いずれも2年ないし3年です。

特許および実用新案に対する侵害訴訟手続き

特許と実用新案は御社の製品を模倣から効果的に守ることに貢献します。

これらの保護権のおかげで、競争において自社製品をより強いものとすることができるだけでなく、競合他社の製品が特許で保護された製品に望ましからぬ形で似てしまう事態もたいていは防ぐことができます。模倣する競合他社のコストリスクは、特許訴訟の場合、特許権者のコストリスクよりふつうかなり高くなります。というのも敗色濃厚な競合他社にとっては、裁判コストのリスクに加えて、損害賠償コストや無駄となるこれまでの製造費というコストがあるからです。

特許ないし実用新案は所有者に対して基本的に禁止権(使用中止を求める権利)を与えます。さらに損害賠償請求権、特許ないし実用新案を侵害する製品の廃棄請求権、製品回収請求権、損害賠償額の算定のための情報開示請求権といった請求権ももたらされます。